2020年

2020/11/14 長い道のりでした

それは9月初旬のある飲み会で決まったプロジェクトでした。
日本の免許証を台湾の免許証に書き換えて、バイクの免許証を取るというプロジェクト。
  
今年はコロナの影響で海外旅行ができず、最近は頻繁に国内旅行をしています。おそらく、これからもこの状況が当分続くだろうと思いますが、台北以外の地方に行って不便なのが、移動です。公共交通機関が発達していないため、バイクを運転する台湾人の友達がいないと身動きが取れません。バイクの免許証があれば一人でどこにでも行けて便利なのになとは漠然と思っていましたが、この飲み会に参加していた日本人女性がバイクの免許を取り、乗りまくってるということで、彼女から沢山の情報を入手することができ、このプロジェクトが立ち上がり、女性1名、男性2名のチームが結成されたのです。
詳しい情報は交流協会のこちらの情報
 
まずは、9月某日、交流協会で日本の免許証の翻訳版を入手、それを持って、「監理站」と呼ばれる免許センターに行き、その日のうちに、台湾の自動車免許証を入手することができました。14年間も台湾にいたのに、こんな簡単に手に入るとは思っても見ませんでした。すでにペーパードライバーの自分が台湾で自動車を運転するつもりは全くないのですが、ではなぜ自動車免許証が必要かというと、これがあると、バイクの試験のうち筆記試験が免除され、実地試験だけ受験すればよくなるのです。
 
ちなみに、我々が行った監理站は士林監理站という、僕が毎日淡水から台北市内の事務所に通う際に利用しているバスが通る場所なのです。士林監理站のバス停は変なところにあり、バスがここを通ることで、毎回数分間のロスが発生、そして、当時は監理站の意味がわからず、勝手に監獄をイメージしていました。まさかこの士林監理站に、その後何度も通うことになるとは思いもしませんでした。

よく見れば「交通部」と書いてあるので、監獄ではなさそうですね。笑
 
自動車の免許証を入手した後、チームは一時解散、バイク試験に関しては独自プレイです。
 
僕の第一回目のトライは10月13日。
初回なので2時間の講習を受け、その後、実地試験を受けました。
30名位の受講生がいたので、運が悪ければ、実地試験の受験もかなり待たされる可能性がありましたが、僕はラッキーなことに(今から考えるとアンラッキー)、講習後すぐに教室を出ることができ、そして、すんなり試験を受けるための受付を済ませ、隣にある実地試験会場に到着しました。

僕の前には一人の女性が試験を開始しようとしていました。
100点満点、合格は70点以上、ミスによっては、32点の減点で一発アウト、16点減点のミスは二回でアウト、試験の途中でもミスが30点をオーバーすればゲームオーバーです
彼女はコースの3分の1も満たない箇所でゲームオーバーになりました。
申し訳ないですが、彼女が落ちたこと、後ろに待っている人が誰もいなかったので、僕は全くプレッシャーがない状態で試験に臨むことができました。
  
僕は、一番難しいと言われる7秒以上かけて細いレーンを走るという難関を一発で突破。
ここは難しいので一度ミスしても、もう一度トライできるのですが、自分でも惚れ惚れするくらい綺麗に通過しました。
その後も順調でしたが、車線変更でウィンカーを出さず、32点の減点、一発アウト!ゲームオーバー。
  
まぁ、友達に教わらなくても、車線変更ですから、ウィンカーは出さないとダメですよね。笑
何事もなくウィンカーを出さずに車線変更をした時点で、名前を呼ばれて、失格宣告を受けました。
僕はコースの3分の2に差し掛かる地点でのゲームオーバーでした。
 
第二回目のトライは11月3日(事前にオンライン予約が必要で、次回の試験まで一週間以上空ける必要があります)。
士林監理站が自宅と会社の途中にあるため、会社に行く前に士林監理站で一時下車して、受付で手続き、試験を受けて、ほんの10分で終了です。
落ちればの話ですが、本当にあっという間、仕事にも全く支障はありません。笑
  
そして、この日落ちた原因は、一番最後の二段階左折を忘れてしまったからです。><
というのも、各免許センターでコースが異なり、特別練習場で練習した時と異なる箇所に二段階左折の関門があったからです。それに、この日も僕の前の受験生が途中で不合格になり、成功例を見れていなかったからです。
成功例を見れていれば、7秒以上かけて細いレーンを走るという最初の難関さえクリアすれば、淡々とやるべきことをこなすだけで、なんとかなるとは思うのですが。
 
二段階左折を忘れて自信満々の顔で試験官の元に戻った僕を試験官は唖然とした顔で見ていました。
「え?どうして?どうして?」「あそこで二段階左折しなかったの?それまで完璧だったの。。。。」と。
僕はそこで初めて気づきました。また32点減点のミスをしてしまったことを。。。
とても優しい試験官で、それに、試験を待ってる人も、周りには誰もいません。
「もう一回やらせてくれませんか!?」とこっそり頼んでみましたが、「やらせてあげたいけど、監視カメラがあるからダメなんだよ。。。。」と。
こうしてまさかの二回目の試験不合格!
記念に写真を撮っておきました。
  
自信大喪失。
バイクの実地試験がここまで難しく、受かりづらいとは全く想像していませんでした。
確かに、数年前から試験の制度が変わり、かなり難しくなったとは聞いていましたが、まさかここまでだとは。
 
第三回目のトライは11月13日(第一回目からちょうど一か月)
2日前に存在を知った士林監理站のコースのYOUTUBE動画を前日しっかり見て、試験を受けることは人には言わず、内緒でこっそり試験会場へ向かいました。
この日はこれまでと異なり、前に5人くらいの人が並んでおり、おかげで、初めて合格者の成功例を生で見ることができました。
7秒以上かけて細いレーンを走るという最初の難関で一度ミスをしましたが、再トライ、二回目はうまくいき、そこからは落ち着いて、パーフェクトな運転を披露できました。
こうして、念願の、念願の免許証を手にしたわけです!
この達成感、久しぶりです。

ちなみに、この免許証は民国140年(あと31年、自分が75歳になる)まで有効です。
今でもこの写真に関しては色々な意見を聞きますが(笑)、75歳になったお爺さんがこの免許証を携帯できるなんて不思議ですね。
 
今では、街でバイクが白線を超えたところで停車をしていると、「32分減点!」とか、ウィンカー出しているバイクを見ると、「よし!」とか、まるで自分が試験官になった気分です。
台湾でバイクの免許を取りたい日本人がいれば、コンサルティングができますので、是非ご相談ください!
  
基本的に交通量の多い台北で運転するつもりはありませんが、地方に行った時も安全運転を心がけます。