2012年11月29日(木)19:00〜、人生初めてとなる講演会でのスピーチをしてきました。
僕が以前勤務していたパソナ台湾主催の講演会(台湾人の日本語人材や台湾在住の日本人に向け)で、これまで台湾における名だたる日系企業の総経理レベルの方々が講師として招かれている講演会です。
実は2年前にも、パソナ台湾の総経理 Mr.Alex(元上司)に「君のこれまでのキャリアや海外での経験を話してくれないか?」と言われたことがあったのですが、その後話がでてくることはありませんでした。
今年の7月に自分の会社を立ち上げた後すぐ、パソナ台湾の日本人営業部長から連絡があり、講演会の依頼がありました。
内容は、以前、Mr.Alexに言われた内容と同じで、「どんな内容でもいいので、二村さんのこれまでの経験を話してほしい!」と言われました。
僕は大勢の前で話すのは慣れていないし、苦手意識が強かったのですが、元上司であるMr.Alexが、独立した僕にチャンスを与えてくれようとしているのでは?と感じ、また、まさに講演の内容となる、中国語・日本語・英語で書き続けている「自叙伝」の宣伝になるのでは?と思い、意を決して受けることにしました。
その後、講演会は3ヶ月後の11月29日に決まったのですが、特に何の準備もせずに11月に突入してしまいました。
11月は細々した仕事やら重要なイベントが立て続けにあったため、気が付くと、何の準備もせずに2週間前になっていました。
さすがに少し焦りだし、大まかな構成を考え、少しずつ原稿をワードファイルでまとめ始めました。
基本的に、「自叙伝」の内容である直近の10年間で僕が学んできたことを話すつもりだったので、比較的簡単かなと思っていたのですが、講演に来てくれる人たちにも役立つ一般的な内容をうまくピックアップしてまとめていくのは思ったより大変でした。
そして、実際にパワーポイントファイルを作り出したのが5日前です。
講演の2日前には、パワーポイントはまだ30%も完成していなかったものの、大まかな原稿の流れだけはできていたので、
香港にいる足立さん(山頭火の台湾社長)とスカイプを繋ぎ、僕の隣には劉さん(足立さんの秘書)に座ってもらい、リハーサルをしました。
大先輩の足立さんを前に、小僧の自分が学んできたことを披露するのはとても気が引けましたが、足立さんからはいろいろな有益なアドバイスをいただきました。
約1時間強に及ぶスカイプリハーサルでしたが、その半分は足立さんが話していたので、思わず、「足立さんが講演した方が良いんじゃないですか!?」と言ってしまいました。笑
リハーサル後は、今回の講演会のメインターゲットとなる台湾人日本語人材の気持ちをよくわかる劉さんからもいろいろな意見をもらいました。
講演会前日
朝から必死にパワーポイントの準備をし、原稿の最終チェックに入りました。
夕方から、新規のクライアントであるOさんと打ち合わせ & 会食という予定が入っていたので、パワーポイントが全然完成していない状態で家を出ました。
以前僕と同じような大きな挫折を経験されていてOさんは、最近、僕の自叙伝を読んでくれたようで、二人でお酒を飲みながらいろいろな話をしました。
その際、翌日の講演会で話す内容を話していたところ、Oさんは、「目標」を「山登りの頂上」に例えて話をしてくれました。
「人間は目標を持つべきであり、山登りでいうと頂上だ。
頂上までたどり着ける人は、きれいな景色を見れてうれしいかもしれない。
でも、 実は頂上にたどり着くことよりも、その過程で学ぶことの方が重要なのじゃないか?
頂上を決めて山登りをしない限り、その過程を経験することができない。
だからこそ、たとえ目標は達成できなかったとしても、目標を設定してそこに向かうということが重要なのでは!」と。
僕は、「なるほどなー!」と思いました。
Oさんは、台湾で会社を立ち上げたい方がいるとのことで、数ヶ月前に友人から紹介をしてもらった方です。
その友人からは、「考え方や価値観が面白い人で、絶対に太郎君とも合うと思うよ!」と言われていましたが、実際本当にそうでした。
(そのような根底の価値観が同じ方と一緒に仕事ができるというのは幸せです。
価値観の合わない人間と一緒に仕事をするのは非常に苦痛です。
僕自信も、独立をした今年の後半からはとても楽しく、満足のいく仕事ができています。)
翌朝までにパワーポイントを提出する必要があったため、その日はお酒を少なめにしてと思っていたのですが、話が盛り上がり、かなり飲んでしまい、自宅に帰っても何もできない状態でした。汗
帰宅後すぐに仮眠をとり、夜中の2時に起き、朝6時までに根性で完成させ、締切りぎりぎりで資料を送信し、再び仮眠を取りました。
学生時代の試験前を思い出しました。
さて、本番まで残り約12時間です。
講演会当日
4時間ほど仮眠をとり、10:00に起床。
ここから、一人リハーサルの開始です。
自宅のロフトにあがる階段を壇上にして、マイク代わりに右手にペンを持ち、左手に原稿です。
2時間の講演なので、時間配分というのも非常に重要です。
タイムウォッチを準備して、パワーポイントファイルをめくりながら、どのパートでどのくらい時間をかけられるかを見ながら最終調整です。
始めに自己紹介をした後は、「自叙伝」の内容通り、日本編 → カナダ編 → 台湾編 → 日本編 → 台湾編という流れで進める予定だったので、始めのパートさえうまく行けば、後はスムースに流れると思いこんでおり、これまで最初の 自己紹介と日本編 の練習ばかりに力を入れていました。
ところが、どっこい。
実際に、カナダ編以降を話しだすと、ところどころおかしな場面が出てきました。話がうまく繋がらないんです。汗
足立さんたちの前でやったリハーサルでは、自己紹介以降のパートは流れを話しただけだったので全然気づかなかったのですが、当日の一人リハーサルで、話を繋げて展開していくことの難しさに初めて気づいたのです。
本番までの6時間は再度原稿の手直しを行い、「なんとか行けるだろう!」という所まで持っていけた時点でタイムアップ!会場に向かう時間となりました。
これが会場に持参した原稿(全8枚)
僕自身、本番の数日前から極度の緊張が襲ってくるだろうと覚悟していたのですが、この時点になっても、まだ全然落ち着いていました。
最大の力が発揮できると言われる心地の良い緊張感って感じです。
実は、僕がそこまで緊張しなかったのには一つの理由がありました。
先日、テレビ局のアナウンサーをしている友人が台湾に来た時に、僕はプロの彼に質問をしてみました。
僕 : 「二週間後にある講演会でのスピーチを受けちゃって、今からドキドキなんだけど、K君は緊張したりしないの?」
彼 : 「カメラの前はさすがに慣れたけど、大勢の前で話すのはやっぱりあがるよ。
数ヶ月前に、アナウンサーを目指す大会の審査員を頼まれて、そこでスピーチをすることになったのだけど、数日前からかなり緊張して、引き受けたのを後悔したよ!あれは、最近で一番緊張したな〜!」
僕 : 「へ〜、プロでも緊張するんだ...」
僕は彼から聞いた、「プロでも緊張する!」という事をずっと頭の片隅に置いておいたおかげで、当日のスピーチを穏やかな気持ちで迎えられる事ができたのです。
さて、こうして僕は、講演の30分前に今回の会場となる台湾大学に到着したのです。